シーバス イナッコパターン攻略やルアー選びのコツ
今回は「シーバス イナッコパターン攻略」をお送ります。シーバスの主なベイトであるイナッコパターンを攻略できないとなかなか河口で釣果を上げる事ができません。今回は実践的な内容でイナッコパターン攻略をお送りします。
イナッコの群れの大きさに注目しよう
- 群れがボール状になっている場合はチャンス
イナッコが円形になっている場合はシーバスに追い詰められている証拠です。なのでこういった円形の群れを目視で探して狙うようにするとチャンスです。
こういう場合の攻め方は基本的にボールを切り裂くようにジャークでイナッコを散らしてアピールするのが定石です。
シーバスの活性によりますがなるべくルアーを見てもらうためにスローで引くとイナッコを散らせないのでルアーがイナッコに紛れてしまいます。
- 海面に大量にイナッコが群れている場合
まずはルアーを目立たせるようにします。なのでカラーはチャート系などを用いて強波動のミノーやバイブレーションでシーバスに見つけてもらうようにしましょう。
- イナッコの群れの切れ目を狙う
- イナッコの群れの下のレンジを通す
この2つの攻め方は重要なので必ず試すようにしましょう。注意しなければいけないのがイナッコの体に当たるアタリとシーバスのアタリを混同してアワセを入れないようにするのがポイントです。
イナッコのアタリにアワセを入れてしまうとイナッコがスレがかりして場荒れしてしまったり、リーダーが痛んだりとデメリットしかありません。シーバスのアタリの場合は基本的に乗るのでエラ洗いなどで分かります。
イナッコパターンの攻め方
- マッチザベイトさせて徐々に外していく
基本的にはイナッコのサイズにルアーを合わせましょう。ルアーサイズは10cm~12cm前後が基本となります。
春先のハク(イナッコより小さいボラ)を捕食している際はマイクロベイトのパターンで小さいルアーを使用します。
バイトがあればそのまま釣り続けてOKですが、徐々にバイトがなくなってきた場合やそもそもバイトしない状態の場合はルアーサイズを極端に落とす、上げるといった変更が有効な場合が多いです。
これはシーバスがイナッコの群れの大きい奴や、小さい奴を選り好みして捕食している事があるからだと思っています。
なるべく早くルアーチェンジしてアタリルアーを探さないとスレだすので注意してください。
- 捕食されている場所に注目しよう
例えば、橋脚の明暗の境でイナッコが捕食されてる場合はドリフトさせて明暗に送り込むといったようにイナッコの動きを模してルアーを操作するとより深いバイトが得られます。
特定の群れを追い掛け回しているような場合はちゃんとボイルがでる場所にルアーをトレースさせるといったふうにです。
シーバスが定位している場合はしっかりその場所を見極めてルアーを通す、シーバスが群れを追っている状況では群れを探すといった具合です。
サイズ的に50cm以下のシーバスは追い掛け回すパターンでそれ以上のスズキ、ランカークラスは定位して流されてくるイナッコを襲う感じです。
・水中の根
・明暗部
・カケアガリ
・流れのヨレ
上記のような場所にシーバスが着きその付近を通ったイナッコを襲うというパターンが多いのでこれらのストラクチャーは念入りに探る必要があります。
- 夜間はドリフト、昼間はリアクション
夜間のイナッコは比較的動きが緩慢で鈍いので動きの面でマッチザベイトさせるためにドリフトやスローリトリーブのスロー系のルアー操作を心掛けましょう。
昼間はイナッコの動きが速いのでバイブレーション早巻きやミノーのジャーキングでテンポよく釣るのが有効です。
ドリフトはナチュラルに攻めれる分手返しが悪いのである程度イナッコとシーバスの位置を把握していないと効率が悪く、リアクション系はテンポが良いのですがその分非常にスレやすいのでミスると食わなくなる場合もあります。
濁りが入ったり風があると昼間でもシンペンのデッドスローやドリフトでも食う事があるので反応が悪い時は試すようにしましょう。
これは夜間のシンキングミノーのジャーキングパターンで釣ったシーバスですね。夏や秋はシーバスの活性が高い場合があるのでリアクション系も有効です。
- 水面のイナッコとシーバスの距離が遠い場合はリフフォが効く
シーバスと水面のイナッコの距離が遠すぎる(2m以上)場合はバイブレーションのリフト&フォールが有効です。
リフト&フォールはレンジを取ってのただ巻きに比べて自分で層を調整しやすい、ピンスポットを縦に長くトレースしやすい、根がかかりしにくいなどのメリットが多いです。
特にイナッコのを執拗に追い回していな場合はシーバス自体の型が良いのでランカークラスのバイトもあります。多少スレていても縦のフォールの動きに慣れていないシーバスも多いので非常に有効です。
こちらは表層のボラの3m下にいたシーバスですね。3m以上離れているとボラにも警戒の挙動がなく一見はシーバスがいなさそうな雰囲気になりますが下についている事が多いので試すようにすると良いでしょう。
非常に有効な釣法ですが、欠点もあり性能の良いタックルでも非常に疲れてしまう、基本くるとデカいので多少のミスが釣果に大幅に響く、数が稼げる釣り方ではないなどのデメリットもあります。
流れのヨレや緩い場所にイナッコが溜まっていないか見てみよう
イナッコはサイズの割に遊泳力が結構あるので流れがキツイポイントでも平気で逃げ回る事ができます、こういった場所に逃げ込まれると厄介なのでシーバスも群れで流れがないポイントに追い込んで捕食する場合があります。
特に群れを形成しやすい40~60cmサイズのシーバスは激流よりも流れがかなり緩いポイントにいる事があるので重点的に探るようにしましょう。
流れの緩いポイントは遊泳力の弱い小型のイナッコが集まる場合もありそれらを狙う活性の高いシーバス多くいる時もあります。特に朝まずめ時などはボイルすることも多いので見逃さずに攻めましょう。
イナッコはいるけどシーバスの気配がないパターンの対処法
河口でよく見るパターンですが高確率でシーバスはいます。黒がイナッコで赤がシーバスです。満潮時は水位が高くなりシーバスとイナッコの距離が非常に離れます。
活性が高い時はシーバス自体も中層でイナッコの群れ付近で待ち構えていますが、活性が低い場合はボトム付近やストラクチャー付近でじっとしている事が多いので距離が空きます。
そうなるとイナッコも捕食者から離れているので危険を感じずにゆったりとしています。
逆に干潮付近になると水位が下がりますのでシーバスとイナッコの距離が近くなり、シーバスの活性が上がることがあります。
時間が経つと勝手に水位がさがりシーバスの活性が上がることがあるので釣れないと思ったら干潮付近にもう一度トライしてみるといった作戦も有効です。
満潮時だけ釣れると錯覚している方が多いですが干潮時付近に活性が非常に高くなることが多いので有効な作戦です。
浅めの河口などでは水位が下がると全体的にシャローになるポイントが多くありますからそういった時間的な要因も視野に入れておくといいですね。
イナッコパターンに適したルアー
- シンキングペンシル
サイズが10cm程度のやや重めで寸胴のシンペンがハマりやすいです。ミノーと違い任意にレンジを変更できる、スラロームなのでスレに強いなどの理由でよく使用します。
イナッコのとシーバスの距離を考えつつドリフトでスローにアピールするのが基本的な使い方です。大型狙いの場合はイナッコの下からボトム近辺までしっかり探る必要があります。
夜間や雨後の濁り時はチャート系やピンク系のカラーにしてアクション以外のアピール力を上げるのも有効なテクニックです。
夏場~秋は表層のドリフトを意識して冬場はボトムから中層付近のドリフトという風に季節ごとに流すレンジを決めておくのも有効です。大型狙い一択なら中層~ボトム付近に重点を絞って丁寧に流しましょう。
- フローティング、シンキングミノー
基本的に河口ではフローティングミノーのみで釣る事ができます。夜間でやや荒れた天候ならシンペンより使いやすいので風の強さが4mを超えると使用するようにしましょう。
朝夕まずめ時はフラッシングさせつつジャーキングを織り交ぜた早巻きなどでテンポよく探るのも有効です。サイズは大型のシーバスを意識したいなら120~140mm、ある程度安定させたいなら80~100mmでローテーションさせるとよいですね。
- ビッグベイト
20cm以上のイナッコが捕食されている時に有効です。シーバスは30cmぐらいのボラなら十分捕食できるので大きいサイズのイナッコも頻繁に捕食されています。
このサイズだと中途半端な大きさのミノーやシンペンは逆に見切られてしまうのでビッグベイトを使用しないとバイトさえありません。しかも、20cmぐらいのイナッコを捕食しているシーバスはランカーサイズなのもよいポイントです。
使い方は簡単でイナッコやボラの下を通すか紛れさせつつドリフトさせると居れば高確率でバイトしてきます。ビッグベイト自体があまり使用されないルアーなので反応自体は良く研究中の釣り方です。
- バイブレーション
デイゲームや朝夕まずめに使用するのがおススメです。ウェイトは14gを起点に根がかりしないようにウェイト調整しましょう。使用法は至って簡単でロッドを立てて早巻きするだけです。
イナッコの群れに対してシーバスの群れも入っていて追い詰めているような状況でハマりやすいです。
速く探れるので大規模河口の目星のないシャロー帯や、広大な干潟などでも使用できます。
デイゲームや朝まずめ時はホロ系であればイワシカラーなども十分に釣れるのでとにかく光っているかどうかだけを意識してカラーローテーションしましょう。
どのルアーでも釣れてしまうので決定的なパターンがないのが難しい
イナッコパターンは基本的にどのルアーでも釣れます。なので当たりパターンを掴むまでが難しいです、この当たりパターンを掴むまでに時間がかかってしまうと釣れません。なので4種類程度釣り方を用意しておいてローテーションして様子を見るのが一番釣りやすいと思います。
例えば・・・
1:ミノーのジャーキング
2:シンペンのドリフト
3:バイブレーションのリフト&フォール
4:ビッグベイトのドリフト
1~4程度の複数の選択肢を用意しておいて、活性が高くイナッコのサイズが大きい場合は4:ビッグベイトから試すといった感じで事前に絞って試すと比較的スムーズに探れます。
特にイナッコの数が多すぎるのに対してシーバスの数が少なすぎる場合はかなりピンポイントで釣り方を当てて行かないとバイトがないことが多いので見切って移動するのも重要です。
柔軟さがイナッコパターンは非常に重要です。
イナッコパターンはどのルアーがトータルで一番ハマりやすいの?
釣り方もルアーも柔軟に対応させるのが一番釣れますが、やはりシンペンが一番ハマりやすいですね。特にミノーとバイブレーションはウォブリングなのでスレに弱く長時間粘ってイナッコに着いたシーバスの位置や食うレンジを探る時にプレッシャーをかけすぎてしまい反応が薄くなってしまう場合も多いです。
シンペンなら何度も通してもスレにくいの位置やレンジが完全にハマれば何十キャストしていてもガツンとバイトしてきます。
さらに通年反応がよく特にウォブリングに反応しにくくなる冬場に強いのが一番のメリットです。
ある程度安定させたいなら小型のシンペンを使えばセイゴやフッコも良く釣れますし、大型に絞りたないのなら重いシンペンでボトムを流すなどの工夫もしやすいです。一応使い分けの目安は・・・
- こまめにランガンしつつ探る時やサイズにこだわりがない場合→ミノーやバイブレーション
- ウェーディングや粘って食わせる場合→シンペン
を意識して釣りを組み立ててください。かなり微調整が必要な場合が多いですが慣れると通年安定して釣れるベイトパターンなので河口での釣りが多い方は必須のテクニックです。
イナッコパターンQ&A
- 色んなサイズのイナッコがいてマッチザベイトできないけどどうすりゃいいの?
シーバスは偏食傾向が強いので特定のサイズを追い回している事が多いです。従ってよく水面を観察してどういったサイズのイナッコが追われているかなどを確認して調整しましょう。
こちらはシャローアサシンでの釣果ですね、99シリーズはイナッコパターンにハマりやすいのでシーバスのサイズにこだわっていない場合は80~100のミノーかシンペンを流すようにすれば比較的スムーズに状況判断できると思います。
- イナッコにボイルしまくっているが全然釣れない! 助けて!
これはよくあるパターンですね。端的に言うとスレている事が多くこういったパターンではミノーやバイブレーションには反応しないと思ってもらってOKです。
従ってシンペンかワームかトップ系のなどのイナッコパターンではあまり使用されないルアーを使えばOK。それでも食わない時はあえて無視するのもアリです。(ボイルしまくっているタイプは小さい事です)
特にペンシルベイトやポッパーなどは意外と使わない人が多いので専用に持っておくとよいと思います。サイズは100~120程度で調整するといいですね。
- イナッコカラーって効果あるの?
効果なしですね。夜間はチャート、昼間はホロ系の使い分けでOkです。
その逆をやるとびっくりするぐらい見切られるので注意。たまに異様に緑系のカラーがイナッコパターンでハマる時がありますが、気にしなくても上の使い分けで釣れるので大丈夫です。
- ボラばっかりいるけどどうすりゃいいの?
80以上だったら30cmぐらいのボラなら普通に食うのでビッグベイトで狙っても面白いです。
でかいボラでもシーバスが近くにいれば嫌がって動きが不自然になるのでそういったシーバスの位置を絞り込む要素として使ってください。
あとボラをスレがかりさせすぎて暴れさせるとデカいシーバスは警戒するので注意。
明らかにボラなど食おうとしていたシーバスですね。たくさんボラがいましたが明らかにこの個体の近くにボラが入って行かなかったのでドリフトさせつつジャークするとバイト。
- 形がイナッコっぽいルアーって効果ある?
これは意外と効果なしです。確かにモチベーション的にはイナッコっぽいフォルムの方が釣りやすそうですがやってみると普通にギルっぽいビッグベイトでも釣れますし、ジョイクロ148のようなイナッコっぽいルアーでも釣れます。
どちらかというとドリフトのやり方やレンジ調整など動きの面でマッチザベイトさせるのが重要なパターンです。
- ベイエリアのイナッコパターンって有効?
これも意外と有効ではないです。明らかにボイルしているようなら狙うべきですが、ベイエリアだとどちらかというとイナッコよりもマイクロベイトなどを積極的に捕食していることが多いです。
なのでもし仮にイナッコが多くいても逃げてない場合はちょっと探って捨てるぐらいでもいいですね。
- どれぐらいのサイズのイナッコを狙っていけばいい?
手持ちのルアーサイズによって狙い目が変化しますが、例えば都会方面で主流の小型ルアーを中心としたルアーセレクトなら10cm程度のイナッコが群れていると狙うとよいですね。
小型ルアー中心の釣りだとボラのスレがかりやイナッコのスレがかりに注意してください。
ビッグベイトやパワー系のルアーセレクトならイナッコというよりボラがいる時以外は捨てるぐらいでもよいでしょう。
イナッコパターンで釣った大型シーバスの釣果
イナッコパターンでは大型が出やすいのが特徴的でだいたい河口で釣れる70UP以上は20cm程度のイナッコや80UP、90UP以上になると30cmもあるボラなども襲って捕食しています。
そういったタイプに効くのが大型のルアーなのですが、ミノーではなくビッグベイトを中心に攻めるとシャローや根のきつすぎるポイントでも普通に取り込めるので積極的に狙っています。
こちらはスイムベイトのダンクルでの釣果ですね。こういったサイズはまず中途半端なサイズのバイブレーションやミノーでは釣れないことが多いのでボリュームのあるスイムベイトなどがはまりやすいです。あとこういったスイムベイトは使用しているアングラーは皆無なのでスレ対策にも繋がります。
こちらは小規模河口の壁打ちでの釣果ですね。小型のイナッコを追いまわしていたのでサスケのジャークで通すとバイト。ちなみにイカも食ってたようで口からイカの触手が少しはみ出てました。
こちらはギル系のビッグベイトのチビタレルの釣果ですね。シルエットは全然違いますが要ははまりゃ釣れるのでイナッコパターンはある意味自由度が高いベイトパターンです。
こちらはヴァタリオンでの釣果ですね、イナッコが群れではなくやや散っている感じだったのでダウンで広めに流しているとバイト。
こちらはタイドミノースリムでの釣果ですね、夏場だとなぜかガリガリの大型シーバスが釣れる時があります。こちらは上流から流れてくるイナッコを捕食していました。しかし、ボイルなどは絶対しないのでイナッコの動きやショートバイトでいるかどうか判断しないといけません。
まとめ
イナッコの動きやサイズに応じてやり方を変える必要がある。選択肢が多ければ多いほど釣りやすいパターンなのでルアーのサイズやテクニックを充実させておく必要がある。